ひとりひとりの意識の成長の先に、競争社会である近代文明社会が終りをつげ、より精神
的に充実した社会がやってくる。人類進化の過程には意識の進化も含まれているのである。
悟りとか、瞑想とかそういった話がでてくるため、非科学的とか宗教的とかとられてしま
い、敬遠する人がいるかもしれないが、本書の著者はソニーでCDやAIBOを開発した工学博
士である。また、トランス・パーソナル心理学という新しい学問を元にし、著者の考えも
含めた話となっており、決して非科学的というわけではない。
自分はエゴむきだしの競争というものが大嫌いであり、アメリカのテロの話、何故近代文
明社会は競争社会となっているのか、など本書の内容に納得する部分が多かった。また、
こういった考え方があるんだ、ということを知っただけでもこの本を読む価値があったと
思っている。